ポゴピンを水平方向に嵌合させるための解決策

ポゴピンを一般的には水平に嵌合させるべきではないと言われています。この記事ではその理由と、ポゴピンを損傷することなく水平に嵌合するための解決策について説明します。

ポゴピンを垂直方向に嵌め合わせなければならない理由は?

「ポゴピンのオスコネクタの上でメス部分をスライドさせて、水平方向に嵌め合わせることはできますか?」という質問が多く寄せられます。この記事では、一般的にポゴピンを水平方向に嵌め合わせてはならない理由と、ポゴピンを損傷させることなく水平方向に嵌め合わせるための解決法についてご説明します。

ポゴピンで一般的に推奨されるのは、損傷を避けるため垂直方向に嵌め合わせることです。

水平方向での嵌合
垂直方向での嵌合

メスコネクタをポゴピンに向かって水平にスライドさせると、バレルの圧接端を損傷する可能性があります。プランジャーが横方向に押され、圧接端が外側に曲がってしまいます。その結果、プランジャーがバレルから外れてしまう可能性があります。

ポゴピンを水平方向に嵌め合わせることは可能ですか?

対策をすれば可能です。ポゴピンの損傷を避けられる解決策がいくつかあります。お客様がデバイスを設計するときに選択可能な3つの方法を以下にご紹介します。水平方向で行うと、ピンや嵌め合わせるパッドのメッキを摩耗させてしまうことにご注意ください。そのため、総スライド距離は、できるだけ短くする必要があります。長い耐久寿命が求められる場合は、メッキを厚くするのが必須のこともあります。

角度をつけてポゴピンを嵌め合わせることは可能ですか?

一般的に、ポゴピンは5度以上の角度をつけて嵌め合わせてはいけません。一般的に言われているのは、その角度が大きいほど、ポゴピンの耐久寿命は短くなります。嵌め合わせるときの最大角度は約18度です。この角度では、予想される耐久寿命が大幅に短くなることにご注意ください。ピンを嵌め合わせるときに、プランジャーとバレルの内壁の摩擦が一定の割合で増加します。これにより、ポゴピン内部のメッキが摩耗します。最終的には腐食が発生し、より重要なことには電気抵抗が増加する可能性もあります。 18度以上の角度でポゴピンを嵌め合わせたい場合は、以下の3つの選択肢のいずれかをご検討ください。

ソリューションその1:ポゴピンのバレル部を厚く設計

厚いバレル設計により外壁の厚さが増し、ポゴピンを水平方向に嵌め合わせるときに圧接端が損傷するのを防ぎます。通常この設計は、ストロークがとても短いときに選ばれます。製造工程はほぼ同じなので、低コストのソリューションといえます。この設計は、単に壁を厚くすることで圧接端への物理的なせん断応力に対抗しているだけなので、プランジャーとバレル内側のメッキを少なくするためのソリューションとはなりません。横からの力により、プランジャーのバレル壁への圧力が強まり、圧縮荷重が増します。この設計は、インサート成形や防水用途にも適しています。

ソリューションその2: フローティングポゴピン設計

フローティングポゴピンの設計では、ポゴピンをハウジングに緩く固定するだけなので、上下に動かすことができます。この設計はとても頑丈ですが、ハウジング用の高精度の金型が必要になるため、金型費が高くなる可能性があります。圧力の一部がハウジングに伝わるため、耐久寿命を延ばすには高品質のプラスチック素材が必要となります。この設計は、防水用途には使用できません。

ソリューションその3: ボールポイントポゴピン設計

ボールポイントピン設計は、ボールペンのようにピンの先端に精密仕上げのボールを使用します。このボールポイントコネクタはとても複雑な構造であるため、ピンあたりのコストが高くなります。長い耐久寿命が必要な用途や、接触パッドと斜めに嵌め合わせる場合などに最適です。また、防水コネクタの用途としても使用できます。

上記の解決策とは別に、より使用頻度の低い方法も存在します。お客様におかれましては、少し角度をつけてポゴピンを嵌め合わせたいというケースがあるかもしれません。その際は、ぜひ当社営業までお気軽にご連絡ください。コネクタを最適に取り付ける方法についてサポートし、アドバイスをさせていただきます。

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